さらにY.E.の快進撃は続く。3年目には、1億円規模を含む、内部情報システム『公開羅針盤』を3件受注し、「トップセールス・オブ・ザ・イヤー特別賞」として全社的に表彰された。Y.E.は「良い先輩たちについて指導してもらったから」とうそぶくが、たしかな営業スキルを確立しつつあったのだろう。
「公共系のシステムというのは、国民の大事な税金で作られています。だからこそ、投資対効果をしっかり見極めるべきで、『売るだけ』の姿勢では絶対にいけないと思っています。それって弁護士にとっては大前提の『社会正義』なわけで、両備システムズでも『忠恕』で謳われている考え方。それがお客様にとっての信頼につながったのかもしれません」と語る。
また、仕事のやりがいを問うと、「よくお客様から言われるのは、『10年以上使いたいから、しっかりしたものにしたい』という言葉。社会貢献や社会インフラというと、建物や道路をイメージすると思いますが、同じくシステムとかデータも、ずっと残るものなのですね。やりがいと同時に、そういう責任と覚悟を持つ必要はあると思います」とY.E.は答えた。入社以来、手がけてきた農地データの電子化、そして、自治体内部の情報管理、そこにY.E.は社会の縮図を見たのだろう。「法律の勉強だけではわからなかった、机上の空論ではない世の中がなんとなく見えてきた気がします」と、自身の成長を実感している。