「早期胃癌深達度診断支援システム Deepth-EGC」 を2026年3月より提供開始 ~AIを用いたプログラム医療機器で医師の診断をサポート~
<この資料は報道機関向け資料になります>
株式会社両備システムズ(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:松田 敏之、以下 当社)は、内視鏡検査の画像を元に、人工知能(AI)を用いて早期胃癌(がん)の深達度を判定し、医師の診断補助を行う「早期胃癌深達度診断支援システムDeepth-EGC」(読み方:「ディープス イージーシー」、以下 本システム)を2026年3月より提供開始いたしました。
概要
本システムは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、2024年3月5日付で医療機器製造販売承認を取得しました。試験導入にご協力いただいた医療機関からのフィードバックを踏まえた販売体制の整備を進め、この度正式な提供開始に至りました。
開発の背景
○胃癌の疫学と治療ニーズ
日本における胃癌の罹患数は、2021年に112,881例(男性76,828例、女性36,053例)と報告されており、大腸癌、肺癌に次いで3番目に多い癌です。1975年から2024年にかけて死亡数は約4万人と横ばいからやや減少傾向であり、年齢調整後の罹患率および死亡率は減少に転じているものの、好発年齢である高齢者層の増加に伴って罹患数は増加傾向にあり、将来推計でも増加が見込まれています。1
○早期胃癌の治療選択と深達度診断
胃癌の特徴として、病期が進行すると死亡率が高まりますが、早期に発見すれば十分に根治可能な疾患です。早期胃癌の治療では、腫瘍を内腔から切除し胃が温存できる内視鏡治療(ESD/EMR)と、胃の一部から全部を切除する外科手術があり、その選択には腫瘍の進行度に対する正確な診断が必要です。2020年改訂の「胃癌に対するESD/EMRガイドライン(第2版)」により、それまでよりも幅広い病変が内視鏡治療の対象として認められるようになりました。ただし、内視鏡治療の適応には癌が胃壁の最も浅い層(粘膜内)にとどまっている「粘膜内癌(M癌)」であることが共通の前提条件となっており、癌がそれより深い層に達しているかどうか(深達度)を正確に見極めることが、治療方針を決定する上で一層重要になっています。しかし、早期胃癌の深達度は判定が難しく、専門医でも正診率は72%2 程度とも言われており、診断方法も未だ標準化されていません。
○本システムの臨床的位置づけと試験成績
消化器内視鏡領域では、AI技術を活用した内視鏡画像診断支援プログラムの普及が進んでおり、大腸内視鏡領域では病変検出や鑑別診断を支援するプログラムが複数承認され、すでに臨床現場で使用されています。胃癌領域においても、病変の検出を支援するプログラムが承認・実際に市場で提供されるなど、AI技術の活用が本格化しています。こうした潮流の中で、本システムは、AI技術を活用し、内視鏡治療を決定する医師の深達度診断予測を補助することを目的として開発され、性能評価試験では約82%の正診率が確認されました。3
本システムのメイン画面
製品情報
| 販売名 |
早期胃癌深達度診断支援システム Deepth-EGC |
|---|---|
|
一般的名称 |
疾患鑑別用内視鏡画像診断支援プログラム(71066003) |
| 医療機器承認番号 | 30600BZX00030000 |
| 特定保守管理医療機器該当性 | 非該当 |
| 医療保険償還上の取扱い | 未収載 |
| 使用目的または効果 |
早期胃癌の内視鏡画像を解析し、粘膜内癌または粘膜下層まで進行した癌の可能性を数値として出力します。本プログラムの位置付けは「医師の読影の補助」であり、本プログラムによる検出結果のみで早期胃癌のスクリーニングや確定診断、深達度鑑別に基づく治療方針の決定を行うことは目的としていません。 ※詳細は添付文書4の〈重要な基本的注意〉の項をご確認ください。 |
主な特徴
○AIによる診断支援
本システムは、ディープラーニングのアーキテクチャの1つであるディープニューラルネットワーク(DNN)を用いた学習済モデルを使用して内視鏡で得られた早期胃癌病変の画像を解析し、粘膜内癌(M癌)または粘膜下層まで進行した癌(SM癌)の可能性を表示します。
M癌と推論された場合の判定結果
○国内主要メーカーの内視鏡システムに対応
内視鏡検査では、通常の白色光による観察に加え、特殊な波長の光や画像処理技術を用いて血管や粘膜の色調変化を強調する「画像強調観察」や、粘膜表面を高倍率に拡大して微細構造を観察する「拡大内視鏡」が用いられることがあります。本システムは、白色光を用いて撮影された通常観察の内視鏡画像のみを解析対象としています(画像強調観察や拡大内視鏡により撮影された画像は対象外となります)。特定メーカーの観察光に依存せず、入力画像条件を満たす内視鏡で撮影された画像であれば、本システムに入力して使用できます(1病変につき画像5枚以上の入力が必要です。詳細は添付文書4の<入力画像条件>の項をご確認ください。)。
○専用グラフィックボード(GPU)不要
本システムは、Microsoft Windows5 を搭載した汎用コンピュータにインストールして使用します。専用のグラフィックボードやサーバの導入も不要で、一般的な仕様のコンピュータ1台で動作が可能です。
※一般的な仕様…OS:Windows10以上5 、HDD(空き容量):5 GB以上、メモリ:8 GB以上、CPU:4コア以上のインテルCore6 プロセッサー・ファミリー
価格体系
利用端末ごとのライセンス許諾
販売元
株式会社両備システムズ
今後の展望
AIを用いた画像処理技術を活かし、消化器を中心に他部位の疾患についてもAI画像診断支援や、内視鏡染色検査でのAI技術活用を進めて、社会実装化に取り組みます。また、本システムについては、今後実臨床での精度検証を進めるとともに、学習用の症例を更に拡充し、正診率90%を目指してバージョンアップに取り組んでまいります。
<注意>
本資料は報道関係者への情報提供を目的として作成されたものです。本リリースに記載されている製品情報等については、一般の方への医学的アドバイスを含む医療情報の提供や、顧客誘引を目的としたものではありません。
このページに関するお問い合わせ
株式会社両備システムズ 経営推進本部 広報部
TEL:086-264-1311
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[1] 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録).全国がん罹患データ(2016年~2021年). https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#a14.
[2] 尹錦鉉, 小田一郎, 鈴木晴久, 後藤田卓志, 下田忠和, 斉藤大三. 胃癌に対する深達度診断の 現状. 日消誌. 2009;106:1603-1609.
[3] 当社内データ「早期胃癌の深達度診断支援プログラムの単体性能評価試験 試験報告書」に基づく
[4] 医薬品医療機器総合機構(PMDA).『早期胃癌深達度診断支援システム Deepth-EGC 添付文書(承認番号:30600BZX00030000,第2版,2025年5月)』PMDA医療機器情報.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/180170_30600BZX00030000_A_01_02(参照 2026年2月13日).
[5] Microsoft WindowsおよびWindowsは、米国およびその他の国における米国Microsoft Corporationの登録商標または商標です。
[6] インテル Coreは、米国およびその他の国における Intel Corporationまたはその子会社の登録商標または商標です。
