両備システムズ、公衆衛生分野の学会「第84回日本公衆衛生学会総会」で母子保健業務におけるシステムの活用についてポスター発表
株式会社両備システムズ(本社:岡山県岡山市北区、代表取締役社長 松田敏之、以下 当社)は、2025年10月29日~31日の3日間、グランシップ(静岡県コンベンションアーツセンター・静岡市)で開催された「第84回日本公衆衛生学会総会」にてポスター発表しました。
「母子保健事業における健康管理システムの利活用によるDX推進に関する報告」をテーマに、当社の自治体向け健康管理システム「健康かるて」を活用した、母子保健業務におけるデジタル化・データ活用の状況に関する調査結果を報告しました。
本発表にあたり、2025年6月~7月に合同会社Calux(本社:東京都足立区、代表社員 清信大樹)と共同で調査を実施し、当社が提供する自治体向け健康管理システム「健康かるて」の導入自治体のうち、調査依頼を行った281自治体中103自治体から回答を得ました。
自治体の健康管理システムには、住民一人ひとりの生涯を通じた健康管理のデータが蓄積されます。母子保健業務では、妊産婦や乳幼児等の健診事業や、家庭訪問、面接・相談等の支援など幅広い事業を実施しています。
本調査では、「健康かるて」が母子保健事業において自治体の専門職(保健師、助産師、看護師、栄養士、歯科衛生士等)を中心に日常的に使用されていることが確認されました。健診事業では、法定健診(1歳6か月児・3歳児)の他、3~5か月児や妊婦健診での利用が多いことが分かりました。集計では地域保健報告・県報告・地区別事業報告すべてを用いる割合が一貫して最も高く(5~7割)、標準的な報告様式として定着していることが分かりました。一方、家庭訪問や面接・相談等では、母子健康手帳交付時面接や産婦・新生児訪問で「報告集計に必要な項目のみ登録」が4~5割を占めるなど一定の記録の入力はあるものの、記録作成時のWordやExcel・紙管理が依然として多く、記録の一元化管理が進んでいないことや、報告集計に必要な記録作成の負担改善のために、7割超の自治体が記録項目の標準化を求めていることが分かりました。
本調査結果を元に、当社では自治体の課題に寄り添った業務システムや周辺サービスの提供によって、住民サービスの質の向上、地域における子育て支援体制のサポートに引き続き取り組んでまいります。
背景
【自治体の母子保健事業における現状と課題】
自治体における母子保健事業は、妊娠・出産・育児を通じて母子の健康を守る重要な行政サービスの一つです。母子保健法に基づき、各種施策(健康診査、家庭訪問、面接・相談、教室等)が行われています。近年、「こども家庭庁」の設置による施策の充実や、住民を取り巻く環境の多様化により、各市区町村でも住民に対する手厚く幅広いサポートが求められています。しかし、現場では人材不足や情報連携の遅れ、業務の属人化など、多くの課題が指摘されており、特に母子保健事業のデジタル化は、自治体職員の業務効率化とデータ活用による切れ目のない能動的な支援を行っていくために必要性が高まっています。
【当社のこれまでの取り組み】
当社が自治体向け健康管理システムとして提供を行っている「健康かるて」は、1987年の初期バージョンリリース以降、多くの自治体からご好評をいただき、現在では全国約780自治体に導入されています(2025年11月時点)。母子保健に対する国の方針や自治体からのニーズの高まりを受け、 当社は母子保健事業に関連したシステムの開発や研究を強化しております。引き続き、母子保健事業にかかわる保健師をはじめとする職員の方々の課題に寄り添った支援を行っていくために実態調査、およびポスター発表を行いました。
発表概要
発表テーマ:母子保健事業における健康管理システムの利活用によるDX推進に関する報告
調査結果:
【継続ケースの記録管理について】
「Word・Excel等」による運用が多く、「手書き」や「健康かるて」と併用している状況。
【母子訪問・相談記録の作成における課題について】
各自治体で様々な工夫を実施している一方で、紙による記録・管理が大きな負担となっている。
今後の展望
母子保健領域におけるDX推進をさらに加速させていくうえで、今回の調査を通じて明らかになった課題(記録作成の負担、標準化の不在、紙記録の管理煩雑さ)に対し、「健康かるて」の機能強化と運用支援体制の充実を図ってまいります。
また、子育て支援システム「ネウボラかるて」をはじめとする子育て関連ソリューションのさらなる拡張により、自治体職員の声を反映した住民サービスの質の向上、地域における子育て支援体制の強化に取り組んでまいります。
関連ソリューション
① 市区町村向け健康管理システム「健康かるて」
全国780団体以上の自治体様にご利用いただいている、安定性・継続性・拡張性の高いシステムです。社会保障制度の変革や、日々進化するIT技術、自治体のニーズに迅速に対応しています。「地域をみる、人をつなぐ、動かす」をコンセプトに、生涯の健康情報を管理し、地域の健康増進に寄与します。
2023年10月リリースの「健康かるてV8」では、「地方公共団体システム標準化」における「健康管理システム標準仕様」に完全準拠しています。
「健康かるて」サービス紹介ページ
https://service.ryobi.co.jp/healthcare_solution/sh-kenko-karte/
② 子育て支援システム「ネウボラかるて」
妊娠から出産、子育て期までの、「切れ目ない支援」の実現に向けた自治体様の取り組みを包括的にサポートします。 Webサイトにて、教室・相談の予約、乳幼児健診の予約日程変更、問診やアンケートの回答を受け付け、住民サービスを向上します。また、タブレット・PCを活用して、訪問先・健診会場でのデータ照会・入力を行い、記録の即時共有や事務作業の効率化をご支援します。
「ネウボラかるて」サービス紹介ページ
https://service.ryobi.co.jp/healthcare_solution/sh-neuvola-karte/
このページに関するお問い合わせ
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社両備システムズ 広報部
TEL:086-264-1311
