西日本初のドローン米リモートセンシング実証実験を開始 (株式会社両備システムズ)

株式会社両備システムズ(本社:岡山県岡山市南区豊成二丁目7番16号、社長:松田 久)は、2017年8月4日より、ICTを活用した精密農業の実現に向けてドローンによる農業リモートセンシングの実証実験「ドローン米プロジェクト」をドローンジャパン株式会社、ファームスカイテクノロジーズ株式会社と鏡野町本山精耕園で開始します。

農業リモートセンシングとは、特殊な小型カメラ(マルチスペクトルカメラ)をドローンへ取り付け、自動航行プログラムにて上空から水田の様子を撮影します。撮影した画像は、ドローンの位置情報と地図を組み合わせ、広い水田の稲の状況を細かく「見える化」することができます。この仕組みを使うことで、生育の遅れや病気といった稲の状態を実際に見て回ることなく把握することが可能です。

実証実験の背景には、農業の大規模化や農家の高齢化が急速に進み、労働力不足が深刻となっている現実があります。ドローン×IoTの「見える化」により、生態系を守り、農薬・化学肥料に極力頼らない自然調和のコメ作りをサポートしながら、農作業の効率化や省力化を実現し、高品質で安心安全なお米を、正当な価値で届けるための仕組みを提供します。

また、ドローンジャパン(株)主催の「ドローンソフトウェアエンジニア養成塾」が公認する、日本初の女性エンジニアである当社社員が、このプロジェクトに従事します。

実証実験概要

実証実験名 ドローン米プロジェクト「DJアグリサービス With 両備システムズ」※2017年は実証実験を実施
利用対象者 自然調和型の農家、農業法人
実施期間 2017年8月4日~2017年10月下旬
実施団体
  • 株式会社両備システムズ(岡山市南区)
  • ドローンジャパン株式会社(東京都千代田区)
  • ファームスカイテクノロジーズ株式会社(鏡野町)
  • 株式会社本山精耕園(鏡野町)
  • ドローンデパートメント株式会社(岡山市北区)

実証実験の特長

生育状態の把握、収穫量の予測、品質の向上

マルチスペクトルカメラにて撮影したデータを解析処理し、植生指数(NDVI値)として、地図上で水田の稲の状況を見える化します。育成状況に応じて最適な追肥ができ、限られた圃場で収量を増加することができます。

収穫時期の把握

収穫時期が分かることで、最適な稲刈りの計画を立てることが可能です。最適な収穫時期を把握することで、投入する農機具や人員の計画を効率よく立てることができます。

今後の展開

2017年は実証実験を実施し、2018年4月よりサービスの提供開始を予定しています。

ドローン×IoTも年々目覚ましい進化を遂げており、様々な業種への活用が見込まれています。今後は当社のデータセンター(Ryobi-IDC)も活用し、クラウド技術を活かした新たなドローン向けサービスの提供も想定しています。

また、AIを活用した熟練農家の暗黙知の見える化を行い、後継者・新規就農者向けの技術伝達の支援についても検討中です。

両備システムズではドローン関連事業として、農業分野以外にも自動航行プログラムを利用した上空からの現地確認サービスによる人的省力化の実現や、これまで人が見て判断していた異常や変化を画像分析により効率的に発見できるシステム開発等にて事業拡大を図り、今後3年で1億円の売上を見込んでいます。