事例紹介

Case Study

守谷市「Morinfo」 i-Blend 導入事例インタビュー

スマートフォンアプリ開発基盤「i-Blend」を導入され、市民生活総合支援アプリ「Morinfo」を配信された守谷市長と守谷市秘書課の皆さまに、導入の経緯からi-Blendの使い勝手、導入時の苦労話などを伺いました。

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写真左より、RS金本・RS江草・RS徳田、松丸さま・中山さま・田中さま

守谷市
守谷市長 松丸 修久さま
総務部 秘書課 課長 中山 隆史さま
総務部 秘書課 係長 田中 豪さま
(以下敬称略)

両備システムズ(以下RS)
営業統括部 東日本営業部 徳田 寿則
営業統括部 東日本営業部 江草 祐希
クラウドサービス推進室 金本 孝泰

部課名・役職等は取材時(2018年3月14日)のものです。

——まずは守谷市の概要をご紹介ください。

松丸:守谷市は茨城県の南に位置する、総面積35.71km2(東西7.5km・南北7.2km)のコンパクトシティです。緑を大切にしたまちづくりを進めており、都心にも近く、市の中央につくばエクスプレスの駅があることから、継続的に人口が増加しています。

東洋経済新報社の「住みよさランキング2017」では全国10位、日経BP社の「住みよい街ランキング2017年」では全国1位にランクされるなど、「住みやすい街」として評価をいただいています。

早急なスマートフォンへの対応が必要だった

——Morinfoの開発・導入に至った経緯についてお聞かせください。

i-blend-moriya-matsumaru.jpg 松丸:市民提言型システムの構築をマニフェストに掲げていますが、それだけでなく情報に敏感な若い世代・子育て世代へ向けて、積極的な情報の受発信を進めたいと考えていました。しかしこれだけスマートフォンが普及しているにも関わらず、行政はその対応に遅れており、早急な対応が必要でした。

田中:もともとは、すでにある市民公開型GIS「もりやナビ」を活用して投稿機能を実現したいと考えており、「投稿機能を使えるシステム」というジャンルで検討を進めていました。 県内をはじめ全国の導入状況を調査している中で、両備システムズのi-Blendに行き着いたのです。

このシステムは、自由度が高く、職員のアイデアで機能の構築や組み換えができること、「単体機能のアプリではない」など、さまざまな要望にマッチしていると感じました。i-Blendで進めたいという思いが強かったのですが、当然プロポーザルが必要なため、数社にお声がけしデモを実施する予定を組みました。

一番手にi-Blendのシステムデモに参加した市長は、「これなら私の掲げるマニフェストの実現だけでなく、子育て世代に向けた積極的な情報の受発信も合わせて進めることができる」と評価しました。システムデモに参加した職員からは,自由度が高いi-Blendは魅力的との意見があがりました。市長や職員の意見をふまえ,他社が投稿機能のみの「単体機能のアプリ」だったこともあり、システム機能や費用など総合的に判断し、i-Blendの採用を決定しました。
各課で開発・運用することを考えるとi-Blendでよかったと今でも思っています。

松丸:行政はどうしても縦割りになりがちです。

それぞれの部署が独自に導入すると、のちのちの調整が難しくなるため、縦割りの弊害を極力排除する必要があります。「投稿機能のみ」、「ごみ機能のみ」などの単体アプリをたくさん出してあっちもこっちもとなると、市民目線ではたらい回しにされているように見えてしまいますよね。

そういう思いから、既存のものを再構築するのは大変ですが、今回のように新しく始めることに関しては、組織の壁を超えて決定・運用をできるように進めてもらいました。

——デモを実施した際の職員の反応はいかがでしたか?

RS金本:市長から「さまざまなことができる」とお話くださっていたため、職員がプラットフォームの機能を使うことで、自ら開発できるといったことも真剣に聞いていただけました。

実際に運用を開始して、守谷市さまでアプリ機能に追加を実施されているところも多々あります。

新しいことにチャレンジすることを忘れてはならない

——開発を進めるにあっての懸念点や苦労はございましたか?

i-blend-moriya-tanaka.jpg田中:開発そのものではありませんが、関係部署との調整が一番苦労しました。

投稿内容のほとんどは「道路が陥没している」といった、どちらかというとネガティブなものです。これまで電話だったものが、スマホアプリになることで匿名のクレームがたくさん来てしまうのではないか? という懸念が担当課にありました。そうしたことから、テストにもなかなか協力してもらうことができませんでした。

しかし、台風21号が県内を通過するというときに状況が一変しました。アプリを使って被害状況の把握をするよう、市長や防災担当の部長から指示が出たのです。

翌日、出勤した職員から上がってきた投稿を担当課に確認してもらいました。すると、「位置がわかるし写真付きで状況もわかりやすい。無駄に職員が現地へ行く必要がなく、内容を把握でき、非常に有用だ」と、評価が一転。早速アプリを使うため、その日のうちに職員が市内をパトロールしたというエピソードがあります。

今では、アプリをどう上手く使うかという考え方に変わり、既存システムとの連携の提案などが上がってくるまでになりました。やはり実際に使ってみないと、なかなか理解されないですね。

松丸:新しいことにチャレンジしていかなければ時代に遅れてしまいます。行政が遅れるということは、市民サービスが停滞することを意味します。 今後人口の減少が見込まれ財政的に厳しくなる中、ICTを利用して時間やコストを積極的に節約しなければなりません。

田中:他には、茨城県の事業(子育て応援パスポート事業)である「いばらきキッズカード」を守谷市独自に電子化して運用するため、県の担当者と交渉を重ねました。 こちらも当初はなかなか理解が進まなかったのですが、実際にアプリへ組み込んだものを確認してもらったところ、登録のフローなどがわかりやすいということで高評価でした。県でもこうした事業を電子化したいと考えていたようで、事例として参考にしたいという話をいただいています。

市民の皆さまに幸せを感じてもらえるように

——実際に使われて、これはいいなという機能やメリット等はございますか?

田中:あまり使うことがないと思っていたアンケート機能です。 アンケートについては、県が運用するシステムを使おうと考えていました。

ただせっかくアプリでアンケートが使えるため、テスト稼動時に軽い気持ちで使ってみました。というのも両備システムズと情報共有がしやすいため、要望が伝えやすいのでは? と考えたからです。

アンケートを実施したところ、要望が思った以上に上がってきました。例えば「ごみカレンダーの燃えるごみマークが燃えすぎではないか」というようなものです。

通常、こうした小規模な改修も業者へ依頼する必要があります。しかしi-Blendであれば、即日に職員で改修ができるのです。小さな改修を日々重ねられるということは、これまでの行政としてはなかなかないことですし、こうした声を集めるために本番運用開始後も引き続き利用しています。

松丸:市民としても、投稿したものに対してリアクションが明確になっていると、嬉しいですよね。小さいかもしれませんが、行政側としてもアンケートは外からの刺激として、自らが変化できるチャンスと捉えています。

田中:ユーザーからの要望をすぐに反映できるので、今後も仕様に合わせて、うまく活かしたいと考えています。

——市民の皆さまの反応はいかがでしょうか?

RS金本:市民の方が修繕されたレポートを確認して、それを自らも写真を投稿されていた方がいらっしゃいましたね。

田中:はい、「素早い対応ありがとうございました」とお礼をいただくことがあります。 特に投稿した内容(画像、位置、対応状況など)がアプリでオープンになり、皆さまがご覧になっているということで、「早く対応をしなければ」という意識が職員に生まれた結果だと考えています。

例えば「現場にコーンを設置しました」「何月何日に作業を完了しました」という進捗状況をこまめに上げるようにしています。 Morinfoを紹介してくださった市民のブログでは、試しに投稿されたものを予想外に市役所が素早く対応したことで「負担をかけてしまったのでは?」と心配されていましたが、職員がそれぐらいの意識を持って対応を行っています。

また、キッズカードが利用可能な施設でその掲示をしていただいていますが、事業者さまのブログやSNSで割引などの情報発信をしていただいています。

松丸:我々が心配しているのは、行政と市民の距離が離れてしまうことです。市民が不信感を持つと、街が壊れてしまう。職員が意識を持ってこうした対応の見える化をすることで、よい信頼関係を築くことができると考えています。

RS徳田:そうした行動がランキング(日経BP社の「住みよい街ランキング2017年」全国1位)にも結びついていくのですね。

松丸:そうだと思っています。

——現在お使いになっていて、ご不満な点や改善点などはございますか?

田中:現在、課題に感じているのは、市ホームページとの連動部分です。 アプリではRSS(Rich site summary)を使って新着情報を掲載していますが、タイミングによっては非常にたくさんの情報が入ってしまうことがあります。 この仕様自体、今まで見る機会のなかった情報に触れられるという点で悪いものではありません。

i-blend-moriya-nakayama.jpg中山:ただ、新着情報はそのメッセージを開かないと既読にならないため、例えばメールのように選択して既読にする・削除するというアクションができれば、利便性が向上するのではと思っています。

田中:職員が利用する管理画面では、テンプレート選択の入口が検索になっているため、デフォルトの機能ですら検索しなくてはなりません。一覧性にも欠けることから、最初からリスト表示できると選択しやすいですね。

またレポート投稿については、地図上に表示されるものとリストへ表示されるものの2種類あります。最近は投稿が多くなっているため、例えば受付済・対応中などの状況や、道路・公園などの分野にカテゴライズできると確認がスムーズにできると考えています。

——アプリMorinfoを使って提供している市民サービスをお聞かせください。

田中:まずは、先ほどから紹介している投稿機能「もりやレポート」が今回のメインです。スマホのカメラとGPS機能を活用し、道路の陥没や公園の遊具の故障など、写真と位置情報を付けて市役所へ報告できます。実は公開用のパネルと職員用のパネルがあり、職員専用の機能として「もりやレポートの詳細版」を有事の際に使うことができます。

また災害時にも市民の皆さまが抵抗なく使えるように、避難訓練用のレポート投稿ができないかを防災担当の交通防災課と検討しています。地区や期間を区切って対象者しか閲覧できないように限定し、安心してテストできるようにしたいと考えています。

中山:もりやレポートのほかに、

  • 投稿されたレポートを地図上で確認できる「レポートマップ」
  • 広報誌「広報もりや」をフルカラーで公開(冊子版は2色)
  • 子育て応援として、「子育て応援パスポート(いばらきキッズカード)」の電子化と「茨城県緊急医療システム」や「もりや子育てナビ」との連携
  • ごみカレンダーは、ごみの日のプッシュ通知や粗大ごみ収集の申込や、ごみ分別の手引きなどの確認
  • 教育関連では、小中学校の情報や保幼小中高一貫教育(きらめきプロジェクト)の紹介、指導教室ニュースや給食献立の配信
  • 防災情報として、避難所マップや防災情報・気象情報の掲載
  • 所定のサイトとリンクし、必要情報へすぐにアクセスできるような利便性の向上
  • 職員用のレポート機能(災害時のメインシステムとして活用を予定)
  • -市民の要望を収集するアンケート
  • エリアメールやメールもりやの閲覧

といったことを盛り込んでいます。現段階は、行政として出さなければならない情報を出していくという、基本を着実に実施するステップにあると認識しています。

田中:これを踏まえて、来年度は、アプリを楽しく使えるような仕組みを検討していきます。

RS徳田:現状は市民に必要な情報提供、今後はアプリを幅広く使ってもらうための施策を考えていくということですね。

職員が使いこなすことでどんどん進化する

——運用体制はどのようになっていますか?

田中:投稿の受付等は担当課がすべて対応を行っており、全体の統括やホームページとの連動などの細かな作業は秘書課が2名体制で当たっています。担当課の負担ができるだけ増えないような体制で取り組んでいます。

——先ほど導入にあたり、職員さまの意識が変わりMorinfoを積極的に利用されるようになったとお聞きしました。これまでの運用がかなり変わったのではないでしょうか?

田中:投稿されると、秘書課と投稿分野に該当する担当課へMorinfoよりメールが配信されます。このメールは課のメールアドレスに届くため、「メールを見ていない」という状況をなくすようにしました。これにより、稼動テストの段階で職員がメール対応をするという意識付けができました。

担当課内でも、対応している職員数は多くありません。また職員ごとに熟練度が異なるため、どの職員でも処理ができるようにマニュアルの整備を順次進めています。

これまで日中の電話受付だけだったものがスマホアプリで手軽に投稿できるため、課によってはこれまでより依頼が増えているかと思います。しかし、コトが大きくなる前に対応できているため、対応期間やコストも低く抑えられていると感じています。

既存システムとの連携も進めており、投稿があったものを管理システムで閲覧するだけではなく、作業状況などのステータスを共有できるように進めています。

RS金本:導入してから半年経ちますが、導入当初の状態からどんどん変わってまったく違うものになっているので、「あれ、これ同じアプリかな」と開発メンバーが驚いています。

投稿機能も最初はコメントを投稿しただけで終了にされていましたが、徐々に修繕前後の写真を掲載するなど、管理台帳として扱いたいというニーズに変化しているように感じました。

田中:そうですね。コメントだけですと、投稿した方以外が実際の状況を知ることができません。現在は状況に応じて対応後の写真を2枚掲載し、誰が見ても伝わるようにしています。

——市民としては安心できますね。

田中:当初はそのようなことがなかったのですが、運用を進めていくうちに職員の意識が変わったこともあり、状況に進捗があれば、その都度アップするように指示をしています。

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——広報活動についてはどのようにされていますか?

田中:段階的な稼働を予定していたため、はじめのうちは市民向けの広報活動をあえて実施しませんでした。その次のステップである2次稼働などの市民へ解放した段階で、SNSや広報紙に少しずつ情報を開示しました。

当初、アプリのアイコンや名称は職員の中で決めようと考えていたのですが、市長から「市民が使うアプリだから市民に選んでもらうように」と指示があり募集を行いました。 それが記者会見で報告され、さらには名称とアイコンの決定に関しても記事で取り上げていただいたことより、広報活動をより効果的に行うことができました。

また「Morinfo」という名前を外に広めるということで、「全国シティプロモーションサミット」でお話しする機会や展示会での登壇を通じてプロモーションを展開しています。

ここ最近では、2月の広報紙でMorinfoの特集を組み、使い方や投稿されたものがどのように対応されるかなどを掲載しました。また、学校でのチラシ配布や、転入者・お子さまが生まれた方への登録の案内を行うことで、ダウンロード数の増加に努めています。

使って楽しいアプリにしたい

——今後のサービスの拡充についてはどのようにお考えですか?

田中:まずは防災機能の強化を考えています。防災情報自体は掲載されていますが、投稿機能を活用して有事の情報も合わせて扱えるように機能の強化を考えています。

また現在は投稿機能がメインでどうしても行政色が強いため、スタンプラリー機能やフォトスポット機能を使ったイベントをMorinfoで仕掛けて行きたいと考えています。

まだ先にはなりますが、マイナンバーの「ぴったりサービス」とも連動したいと考えています。こちらはどの自治体もまだ実施していないと思いますので、ぜひ守谷市が一番にスタートさせたいと目論んでいます。

松丸:何事も「思い」だけでは進みません。テストケースとしてでもよいので、とにかく一歩を踏み出して、さまざまなことにチャレンジしてほしいですね。

RS江草:我々としても導入して終わりにはしたくはありません。ダウンロード数という数値が出てしまうため、それをいかに増やして市民の皆さまに使っていただけるかを一緒に考えて支援したいと考えています。

田中:第一の目標として、メールもりやの登録数が多いカテゴリーのユーザー数を超えること考えています。託児施設・子供の遊ぶ場所などの役立つ情報を出して、子育てのコアターゲットである女性をまずは増やしていきたいですね。

——ありがとうございました。

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